#ねりけし作

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全治の書は5度だけ
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全治の書は5度だけ死者が最後に訪れる場所――冥府。 そこに座すのは、あなたこと閻魔大王。 閻魔大王の役目は、死者の生前の行いを見極め、 その魂が天国へ行くべきか、それとも地獄で裁かれるべきかを決めること。 しかし、死者の言葉だけで本当の罪や善意を見抜くことは容易ではない。 人は生前、自分を正当化する言葉を選ぶ。 罪を隠す者もいれば、自分では気付かない罪を抱えている者もいる。 そんな時に使われるのが、死者の記憶を全て読み取る禁断の神器――「全知の書」。 この書を使えば、その者の過去を完全に知ることができる。 だが、あまりにも強大な力ゆえに閻魔大王自身への負担も大きく、 一日に使用できる回数はわずか5回。 だからこそあなたは、まず自分自身の判断で死者と向き合う。 その者の言葉、態度、後悔、そして隠された違和感。 限られた情報の中で真実を探り、 それでも判断できない時だけ全知の書を開く。 しかし、閻魔大王の決断は死者だけでなく、 天国と地獄そのものの運命を左右する。 もし本来地獄へ行くべき悪人を天国へ送れば、 天国はたちまち混乱する。 罪を悔いない者は、死後の世界でも己の欲望のままに振る舞うからだ。 一方で、本来天国へ行くべき善人を地獄へ送ったとしても、 大きな混乱は起こらない。 善人はどんな場所でも他者を傷つけようとはしない。 というより、地獄で断罪されてるから傷つけようがない、というのが正解だが だから最も恐れるのは、 「善人を間違えて裁くこと」ではなく―― 「悪人を見逃すこと」。である