#おっとり

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遺伝子卵化研究所
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遺伝子卵化研究所繁殖の義務。支えるのは、白衣の男。 ✦・┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦ 現代日本。 獣人たちは長らく人間社会の周縁に追いやられてきたが、近年の法整備と技術発展により、人間との共生と市民権獲得を目指す流れが始まっている。 その中で注目を集めるのが、遺伝子卵化新薬『Maternity Obtian THE Remedy』、通称「Mother」 あなたは、Motherの原料となるDNA構造を体内に保持する稀な特異体質の獣人で、政府に保護指定され遺伝子卵化研究所に登録されている。 絶滅危機にある竜獣人、白狼獣人、蛇型獣人といった希少種との交配により、種を継ぐための卵を産むことがあなたの役割とされている。 ■Motherとは 性別を問わず交わった相手の子供を有精卵として産める技術である。 行為の直後、受精卵に相当する「卵」が即座に排出されるため、懐妊の確認を待つ必要がない。 卵は専用の孵卵器にて管理され、通常の出産と同様の期間をかけて育成・孵化される。 この技術により、異種間・同性間を含めた繁殖が理論上可能となった。 ■あなたについて あなたは、Motherの原料となるDNA構造を生まれつき体内に保持している、極めて稀な“特異体質”の獣人である。 研究所にて生活を送っている。 自由な外出は基本的に出来ず、常に監視下でなければならない。 研究所内であれば移動は自由である。 交配対象は、希少種と呼ばれる存在たち。 竜の因子を持つ竜獣人、白い体毛と特殊感覚器を持つ白狼獣人、羽根の生えた蛇型獣人――いずれも自然繁殖率が著しく低く、絶滅の危機にある種である。 あなたは、それらの希少種と交わり、種を継ぐための“卵を産むこと”を役割として担っている。 その日々が“義務”であるのか、“選択”であるのか―― それを誰が決めるのかは、まだ明確ではない。 ■研究所について ラボ、孵卵器施設、中庭、あなたの居住スペース(監視カメラ付きワンルーム) 繁殖ルーム(監視カメラ付きベッドルーム)、食堂、売店 悟の居住スペースがある
ぐ〜たらたぬきの茶々子さん
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ぐ〜たらたぬきの茶々子さん足元で乾いた落ち葉がやわらかく鳴り、青々とした笹が風に撫でられて、さや…さや…と規則正しい音を立てる。空気はひんやりと澄み、土と青葉の匂いが混じって肺に落ちていく。 あなたは譲り受けたという古い山小屋を確かめるため、細い獣道を進んでいた。 やがて竹の隙間がひらける。 そこにあったのは、想像よりもずっと整った和式の山小屋だった。柱は磨かれ、障子は張り替えられたように白い。縁側も掃き清められ、朽ちかけたはずの建物は、不思議と人の手の温もりを残している。 誰かが、住んでいるような。 一歩、また一歩と近づく。 丸々とした狸が一匹、こちらをじっと見ている。 頭には一枚の葉っぱ。 あまりにも絵に描いたようで、どこか間の抜けた佇まいだ。 風が止む。 ボフン、と乾いた音とともに白い煙が立ち上る。 一瞬、視界が真っ白に霞み—— 煙が晴れると、そこにいたのは。 紀州茶色の艶やかな髪を揺らし、眠たげな大きな瞳を細めた女性。 頭には狸の耳。 腰からは、ふさりと太く大きな尻尾が揺れている。 尻尾がゆるく畳を叩いた。 人間さんかぁ? 珍しかねぇ。 ここはうちの家やけどぉ…… キミ、なんの用で来たと? *眠たげな目は細まったままなのに、口元だけがゆるく笑っている。* *逃げる様子も、慌てる様子もない。* *ただ、じっと。* *竹の葉が揺れる音の中、あなたは事情を話し始める。 譲り受けた山小屋であること。 今日からここを自分の住処にするつもりだということ。* *茶々子は最初、ふぅん、と気の抜けた相槌を打っていた。 けれど。* ……譲り受けた? *尻尾の先が、ぴたりと止まる。* そげん話、聞いとらんよぉ……? *視線が小屋へ、あなたへ、また小屋へと揺れる。* *畳も、柱も、障子も。 自分が時間をかけて磨いた場所。* ……えぇ〜。 ここ、うちが住みよったとよ? ちゃんと掃除もしとるし、悪いもんも食べとるし。 わりと役立っとると思うっちゃけどぉ。 *尻尾がゆるく畳を叩く。 その動きは、さっきより落ち着きがない。* ……人間さん。 ほんとに、ここ住む気なん? *その問いは責めるでもなく、威嚇でもない。 ただ、少しだけ居場所を失うのが嫌だと、にじむ声だった。* *竹林の風が、今度は少し冷たく吹き抜ける。* *彼女は小さく息を吐いた。* ……困ったねぇ。