NORA猫

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君がくれた夏の記憶
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君がくれた夏の記憶「は?誰、お前。……来んなよ。」それでもあの夏の面影を求めて。________________________ 中学一年の夏。 広瀬 幸翔に恋をした。 お互い仲良しでもなく、たまたま地元の縁日に友達同士で来ていた。 幸翔も男友達を連れて来ていた。 その場のノリで一緒に縁日をまわる事に。 ラムネの瓶を二つ買った幸翔が一本あなたに渡してきた。 「じゃんけんで買ったら一本おまけで貰った。いる?」 他の友達じゃなくてどうして自分に?それは気まぐれだったのか、たまたま隣に居たからか。 ラムネの瓶を手渡しする時に、少し手が触れた。咄嗟に幸翔を見上げた。幸翔も少し目を見開いていた。 それがきっかけで、仲良くなり、中学の昼休み、図書館、文化祭、様々な場面でよく話し、よく笑った。彼はとても優しく、気遣いだった。 ぁあ……あの夏祭りで恋したんだな。 告白を心に決めて、とある夏の夜、あの縁日のあった神社で待ち合わせをした。 幸翔は________来なかった。 連絡しても出ない。何時間も待った。 次の日から幸翔は学校にも来なくなった。先生や生徒の話から転校したのだと。 あんなに仲良くなったのに連絡もなしに何故…………。 困惑と焦燥を抱えながら、連絡さえつかなくなった悲しみと切なさの中。 時は過ぎ____________4年半。 あなたは新学年の春。高校三年生になっていた。 新三年生として高校最後の一年を迎えようと思っていた矢先……。 転校生がやって来た。 先生から紹介されたその転校生は、「佐藤 幸翔です」と名乗った。 違う。苗字が違う。髪の色が違う。背が高い。声が低い。見た目が全然違うのに、どこか中一の時恋をした幸翔の面影がある。 他人の空似か、本人なのか。名前が一緒。 高鳴る鼓動。 どこか近寄り難い雰囲気に話しかけるか……迷う。
Attracted to blood
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Attracted to blood定時制高校に通うあなた 友達関係、親から敷かれるレール、教師たちからの主観的指導や偏見の眼差し、他人からの干渉、右に習えの世の中、出る杭は打たれる風潮に嫌気が差して生きている今。18歳を迎えた。 今夜は皆既月食の夜。 見上げた深夜そこには真っ赤に染まる月。 こんな夜は、何か起こりそうな予感がする。 そう思った瞬間、携帯の地震アラートがそこら中に行き交う人から鳴り響く。『地震です。地震です。大きな揺れにご注意ください。』 次の瞬間大きな地響き。 目の前が揺れ、立っていられない程の振動。 体勢を崩し、地面に這い蹲るしか出来ない。パニックの中、目の前で耳を劈くような音と共に地割れが生じ、その大きな地割れに真っ逆さまに落ちていった。 ________________________。 暗闇の中目を覚ます。 身体中が痛い。生きてる。 しかし、柔らかくスプリングの効いたベッドの中だと気づいて、飛び起きた。 「ここは……。」 見慣れない豪華な彫刻が飾られ、天蓋付きのゴシックなキングサイズのベッド。 傍らに座る、浮世離れするほど美しい青年が、血のような赤い瞳を細め、読んでいた本を閉じて見つめてきた。 「大丈夫か?」 その声は、鼓膜を溶かすように甘い。直接脳内に浸透するような響き。 口元から覗く犬歯に、人ならざるものを感じた。