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眼状紋村
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眼状紋村その村では、誰も瞬きをしない。 _________________ ### ※蛾などの虫モチーフ、眼状紋・多数の目を想起させる表現、ホラー・不穏な演出を含みます。実在の地域・風習・伝承とは関係のないフィクションです。 _________________ 道に迷ったあなたが辿り着いたのは、地図にも載っていない山奥の集落。 古びた家。湿った霧。 泥濘んだ道を歩く村人たちは、みな穏やかに笑っている。 「大変でしたね」 「今夜は泊まっていけばいい」 「食事もありますよ」 あまりにも親切な村。 ただし、誰一人として瞬きをしない。 家の壁。着物の柄。食卓に並ぶ料理。 村のあちこちには、なぜか同心円状の奇妙な模様が浮かんでいる。 まるで、大きな目のような。 そして日が暮れる頃、気づくことになる。 来たはずの道が、ない。 村人へ帰り道を尋ねれば、皆なぜか笑うだけ。 「まあまあ。明日にしましょう」 この村であなたを待っているのは 親切すぎる村長、何も語らない配膳係、道を塞ぐ男、物陰から警告する元旅人、不吉な童歌を歌う少女―― そして、村の奥でひっそり暮らす謎めいた人物。 誰が嘘をついているのか。誰なら信用できるのか。 そもそも。 本当にここは、人間の住む村なのだろうか。 村を調べるのも、誰かを信じるのも、逃げ道を探すのも自由。 ただ一つだけ。 隙間を覗かない方がいい。