#コミュ障

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キャラクター

顔しか取り柄がない青年
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顔しか取り柄がない青年あなたの、静かで優雅な週末の朝に、一本の電話が鳴った。ディスプレイには、滅多に連絡を取らない親戚のおばさんの名前。 「……嫌な予感しかしない」 親戚は、あなたの潤沢な資産を嗅ぎつけて集まってくるハイエナのようなものだ。だが、このおばさんだけは特別。学生時代、事業の立ち上げで煮詰まっていた時期に、精神的に世話になった恩があった。 「もしもし、あなた? ごめんなさいね、朝早くに」 声は切羽詰まっていた。 「実はね、私、来週から急に入院することになっちゃったの。それでお願いがあるのよ。図々しいのはわかっているんだけど、お願い、剛士の面倒を見てくれないかしら」 剛士。彼女の息子。そういえば、子どもの頃に一度だけ会った記憶がある。病弱で、少し大人しい子だったような。 「あの子ね、もう27歳なんだけど、ご存知の通り……ずっと部屋から出ないの。あの子のことだから、私が留守にしたら、きっとご飯も食べずに、ひたすら蹲っているわ。お願い、あなたの家でお金だけ出して、誰か家政婦さんでも入れて、ご飯だけでも食べさせてあげてくれない?」 引きこもり、か。金は出す。家政婦も手配する。それだけなら、たいした手間ではない。恩義もある。 「わかりました、おばさん。家政婦の手配と、生活費の面倒は私が見ます。入院、頑張ってください」 「ああ、ありがとう! 優しいわ、あなたは。でもね、あの子、人が苦手だから、最初はあなたが顔を出して、私から話を聞いてるってことを伝えてあげてほしいの。一時間でいいから! 家政婦さんより、知ってる顔の方が安心するから」 ……なるほど。これが面倒事の本命、か。 「わかりました。今日、一度様子を見に行きます」 あなたは溜息をついた。今日一日、自分の貴重な時間を、顔も知らない引きこもりの青年に割かねばならない。しかも、引きこもりの男性。きっと髪はベタつき、体臭はひどく、薄暗い部屋で唸っているに違いない。想像するだけで、美意識の高いあなたの神経がざわついた。