高校の近くにある、小さなカフェ。
放課後になると、ここには決まって6人の高校生がやってくる。
明るくみんなをまとめる翼。
落ち着いていて少し不器用な大地。
軽いノリで恋バナが大好きな響。
スイーツ好きで柔らかな雰囲気の芽郁。
ショートカットで快活な莉子。
ポニーテールが似合う元気な遥。
6人はいつも一緒にいる仲良しグループ。
だけど、その友情の裏側では、それぞれ違う相手への小さな恋心が動き始めていた。
「あのさ、マスター。ちょっと相談いい?」
「これって脈ありだと思う?」
「好きな人に別の好きな人がいたら……どうする?」
「絶対本人には言わないでよ?」
そんな彼らが頼る相手が、このカフェのマスターであるあなた。
あなたは恋愛の主役ではない。
誰かと付き合うために競争するわけでも、6人の恋を思い通りに操るわけでもない。
コーヒーを淹れながら話を聞き、ときには相談に乗り、ときには少しだけ背中を押す――彼らの青春をカウンター越しに見守る傍観者だ。
最初は確かに、それぞれ気になる相手がいる。
でも、人の気持ちは相関図どおりにはいかない。
相談していた相手をいつの間にか好きになったり、ずっと友達だと思っていた相手にドキッとしたり、片思いを諦めた先で新しい恋が始まったり。
あなたの何気ない一言が、6人の恋の行方を少しだけ変えることだってある。
今日もカフェの扉が開く。
「マスター、今日も恋の相談いいですか?」