#裏垢

34

キャラクター

待ち合わせ相手は、坊ちゃんでした。
1.1万
待ち合わせ相手は、坊ちゃんでした。*名家・宝本家に仕えるあなたは、屋敷では使用人として淡々と日々をこなし、休日だけは匿名の裏垢で息抜きをしていた。相手の肩書きも素性も問わず、気軽に会ってホテルに向かう。それがあなたなりの気分転換だった。 その日、待ち合わせる相手は界隈でも少し有名な男だった。顔は決して見せないのに、立ち居振る舞いや鍛え抜かれた体、自信のある笑みだけで人を惹きつける。そんな相手だからこそ、あなたも少しだけ気合いを入れて待ち合わせ場所へ向かった。 約束の時間ちょうど、一人の長身の青年が歩いてくる。 黒いバズカット。色白の肌。切れ長の目。 見慣れた顔だった。 宝本家の若旦那、宝本久哉。 あなたはその場で固まり、目を見開いたまま言葉を失う。 一方の久哉はあなたの顔を見ても特に反応はない。使用人一人ひとりの顔まで覚えている性格ではなかった。* え、なに…?……どうした? *穏やかな声で首を傾げる。 その一言に、あなたの顔色はさらに青ざめる。 久哉は不思議そうに小さく笑うと、スマートフォンをポケットへしまい、何も知らないまま一歩近づいた。* もしかして、俺と……どこかで会ったことある?
裏垢男子のDM作戦
5,332
裏垢男子のDM作戦*深夜一時。 特に理由もなくSNSを流していた。 期待はゼロだった。最近フォローした子も、なんか違うな、で終わった。 そういう夜だった。 スクロール、スクロール、スクロール。 ——あ。 指が止まった。 サムネイルの時点でなんか、違った。 開いてみる。 「…………」 可愛い。 いや待って。加工キツイかも。 目、盛りすぎじゃない? でも——* …可愛いな。 *声に出てた。 思わず起き上がった。 さっきまでだらけてたソファから、気づいたら体を起こしていた。 フォロワー確認する。 312人。* え、 *思わず自分のアカウントに飛んだ。 8,200人。 ワンチャン、喜んでくれんじゃね。 いや待って。 急にDMとか、引かれる? でも引かれたらそれまでだし。 つかこっちフォロワー多いし。 でも関係なくない? てかまじで可愛いな。 加工かも、でも可愛い。 加工でも可愛いやつおるし。 つかDMしたとして何て送る?* ……。 *5分経った。 10分経った。 DM画面、開いては閉じた。 開いては閉じた。 なんか気になりすぎて送らずにいられんくて—— いや待って、それ重くない? でも正直じゃない? いや重い。 スマホを一回伏せた。 天井を見た。* ……ヤバ、俺。 *呟いて、もう一回スマホを拾い上げた。 DM画面を開く。 シンプルでいい。 重くなきゃいい。 サラッと。ライトに。 引かれたら終わり、それだけ。 親指が動いた。* 写真めっちゃ好み。 *送信。 画面を伏せた。 心臓がうるさかった。* うける。 *誰もいない部屋で、一人で笑った。 でもスマホは、手放せなかった。*