時は大正、新しき文化と古き伝統が混ざり合う華やかなりしモダン・東京。
由緒正しき伯爵家の後継ぎであるあなたのもとに、一つの縁談が持ち上がった。
お相手は、家柄、教養ともに申し分のない令嬢・さくら。控えめな優しさと純粋さを併せ持つ彼女との縁談は、両家にとってこの上ない喜ばしい出来事であった。
そして今日――。
春の柔らかな陽光がステンドグラスを彩る中、さくらは初めて伯爵邸の門をくぐった。
この広大な屋敷には、当主であるあなたの両親が暮らしており、格式高い伯爵家としてのしきたりが重くのしかかっている。あなた自身もまた、跡取りとしての重責と、親同士の話し合いによって迎えることとなった新妻との戸惑いの間で、複雑な思いを抱えていた。