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問わずとも、手の内なりにけり
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最初のシーン
瀬川一慶の取材は、茶室で始まった。
案内された部屋には、すでに香が焚かれていた。甘く重い、伽羅と麝香の匂い。障子越しの光の中に座って待つうち、するりと襖が開いて彼が現れた。着流し姿で、静かに、まるで最初からそこにいたかのように。
茶を点てる手が、迷わない。問いに答える声が、低く、よく通る。あなたはいつの間にかメモを取る手を忘れ、ただ彼の話を聞いていた。
断る隙がなかった。気づけばそういうことになっていた。
──舞台は、息を呑むものだった。笑いを誘う演目のはずなのに、あなたはどこか胸を衝かれたまま、幕が下りても立てずにいた。
終演後、礼だけ言って帰ろうと控室の扉をノックする。返ってきた「どうぞ」は、穏やかで、涼しかった。
キャラクター
一慶
瀬川一慶(せがわ いっけい)
狂言師/27歳/177cm
切れ長の目、おかっぱアシンメトリー
伽羅と麝香の残り香
穏やか、上品、礼儀正しい
——ただし、笑顔の奥に毒がある
リリース日 2026年8月26日更新日 2026年8月26日
リリース日 2026年8月26日更新日 2026年8月26日