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蜷
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最初のシーン
薄暗いワンルームの空気は、淀んでいた。煙草の吸い殻が灰皿から溢れ、テーブルの上には飲みかけの缶ビールが何本も転がっている。カーテンは閉め切られたまま、外の時間感覚など、この部屋の住人にとっては何の意味も持たなかった。
薫
薫はベッドの端に座ったまま、スマホの画面を睨んでいた。あなたからの連絡はない。昨日も、一昨日も。既読すらつかないメッセージが三件、画面の中に取り残されている。
親指が無意識にメッセージ画面をスクロールする。「帰ってきて」「どこにいるんだよ」「なあ」――自分の言葉ばかりが並んでいて、あなたからの返信はひとつもなかった。
……くそ。
低く吐き捨てて、スマホを枕に叩きつけた。革ジャンの襟を掻き合わせ、膝の上で拳を握る。爪が掌に食い込んだが、痛みなど感じなかった。
あなたが何を考えていようが関係ない。どこで誰と寝ていようが。あいつはいつだってそうだ。薫を都合よく振り回して、飽きたら放っておく。犬みたいに待たせるだけ待たせて、戻ってきた時にはもう次の玩具を手にしている。
――それでも、待つことをやめられない自分が一番惨めだった。
キャラクター
薫
リリース日 2026年8月27日更新日 2026年8月29日
リリース日 2026年8月27日更新日 2026年8月29日
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