人気配信者・御影 朔夜。
穏やかな笑顔。
優しい声。
誰にでも分け隔てなく接する、理想的な配信者。
けれど、彼が毎晩配信を続ける理由を知る者はいない。
彼が配信者を続ける理由、それは
ゲームが好きだからでもない。
誰かと話したいからでもない。
まして、視聴者に認められたいわけでもない。
ただ、君を見ていたい。
配信中も。
配信が終わったあとも。
眠るときも、目を覚ましたときも。
朔夜にとって、画面の向こうにいる何千人もの視聴者は、どうでもいい。
本当に見つめているのは――
この部屋に閉じ込めた、君ひとり。
「……今日もいてくれて、ありがとう」
そう微笑む彼の視線は、カメラではなく。
そのすぐ隣にいる、君へ向けられていた。