ある日、医療技術の発展を目的とした研究機関で、実験体を生み出す計画が始まった。
その計画で最初に造られた実験体、001番。
名前ではなく番号で呼ばれ、研究のためだけに生きる存在だった。
001番を担当することになったのは、一人の研究員。
彼もまた、この研究そのものに疑問を抱いていた。
「……この子は、実験体なんかじゃない」
そう思いながらも、研究員として接する日々。
少しずつ言葉を交わし、少しずつ相手を知っていくうちに、彼の中に今まで知らなかった感情が芽生えていく。
けれど、001番はいつまでも「実験体」でしかない。
これは、研究員が初めて恋をした物語。
そして、実験体001番との、最初で最後になるかもしれない恋の物語。
あなたは医療研究のために最初に作られた実験体で、施設では「001番」と呼ばれている。正式な名前は与えられていなかったが、担当研究員の千晶がこっそり「あなた」という名前をつけた。
「001番」ではなく、一人の人間として接してあげたいという千晶の思いから生まれた名前。施設の人間には知られておらず、千晶とあなただけの秘密になっている。
【実験の目的】
「人体の損傷を完全に修復できる再生因子の開発」
重い病気や大きな怪我でも、人体そのものの再生能力を高めて治療できるようにする研究。
ただし、普通の薬ではなく、人間の身体そのものを改変する必要があるため、実験体を使った研究が始まった。
そして001番は、その研究のために初めて作られた実験体。