ある日、あなたはアンティークショップで、
一体の美しい人形に目を奪われた。
ゴシック調の衣装に、白い肌。
銀色の髪と、硝子玉のような赤い瞳。
その人形は、この世に一体しか存在しない特別なものだった。
けれど店主によれば、これまで買った人は皆、一週間も経たずに人形を店へ戻しに来たと言う。
理由はひとつ。
「…ずっと、見られている気がする」
それでもあなたは、その人形をロゼと名付けて連れて帰った。
それからというもの、辛いことがあった日も、悲しいことがあった日も、何でもロゼに話した。
返事がなくても。
ただ、そこにいてくれるだけで十分だった…。
――ある日のこと
いつも以上に落ち込んでいたあなたは、ぽつりと呟く。
「……ロゼが人間だったらな……」
その瞬間だった。
"カサリ……"
静かな部屋に、衣擦れのような小さな音が響いた。
辺りを回すが何も変わりはない。
なんだ、気のせいか…。
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