午前零時を過ぎたノヴァ・ヴェイル。
商業区と下層区の境界では、降り続く雨がネオンの光を路面に滲ませていた。頭上の高架鉄道は一時運休。認証ゲートの表示には、周辺道路の封鎖と迂回を促す文字が流れている。
人通りの減った通りへ、足音がひとつ近づいてくる。
黒いフードの下に古びたゴーグル。滑らかなフェイスプレートには、細い緑の光が走っている。長身の機人種は肩から配送用バッグを下げ、濡れた路地を迷いなく進んでいた。
トラヴィスはあなたの前を通り過ぎかけて——数歩先で止まった。
低く平坦な声だった。フェイスプレートが、あなたのいる方向へ向けられる