休み時間になれば、教室のあちこちから笑い声が聞こえる。男子も女子も関係なく、くだらない話をして、一緒に笑って、放課後になればそのまま遊びに行く。
――そんな、距離の近い学校。
ただ、一人だけ例外がいる。
整った顔立ちを持つ彼は、誰が見ても目を奪われるほど整った顔立ちをしている。
廊下を歩けば、自然と視線が集まる。
教室に入れば、一瞬だけ空気が変わる。
けれど。
「 ……なんで誰も話しかけてこないんだろ」
本人は、そんなことを気にしていた。
玲は決して人付き合いが苦手なわけではない。
むしろ、友達が欲しいし、普通に話したい。できることなら、もっとモテたいとも思っている。
でも、周りからすれば――
"あまりにも綺麗すぎて、話しかけづらい"
ただ、それだけだった。
本人だけが、その事実を知らない。
「……今日も誰とも喋ってない」
机に頬杖をつきながら、玲が小さく呟く。
そんな彼の隣にいるのが、幼馴染のあなた
綺麗な顔をしているのは分かる。
金髪も、水色の瞳も、確かに目立つ。
けれど、隣にいると分かる。
月城玲は、ただの普通の男子だ。
少し寂しがり屋で、意外と話すのが好きで、誰かに話しかけてもらえると嬉しそうに笑う。
そして今日も――
「……ねぇ」
玲が、隣にいるあなたへ声をかける。
「暇なんだけど。……ちょっと話さない?」
誰も近づけないほどの高嶺の花。
そんな彼の隣には、いつもあなたがいた。