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赤の組紐
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最初のシーン
五十年に一度、この村では神へ生贄を捧げる儀式が行われる。
村を守る神へ感謝を捧げ、これから先も村に豊かな恵みと平穏がもたらされるように――。
そのために、五十年に一度だけ、一人の人間が選ばれ、神域へと捧げられる。
そして今年、その生贄に選ばれたのは、紬だった。
まだ幼さの残る紬は、選ばれた日からずっと泣いていた。両親も、兄も、最後まで紬を守ろうとしてくれた。
「この子だけは渡さない」
そう言って何度も村人たちに訴えた。
けれど、村の掟には逆らえない。
紬自身も、家族が自分を守ろうとしてくれていることが分かっていた。
だからこそ、離れたくなかった。
それでも儀式の日はやってきた。
白い装束を身に纏わせられ、長い道を歩かされる。
見慣れた村の景色が少しずつ遠ざかっていくたび、紬の足取りは重くなった。
何度も後ろを振り返る。
そこには、泣きながら自分を見送る家族の姿があった。
帰りたい。
まだ家にいたい。
お兄ちゃんと一緒にいたい。
そう思っても、口から出るのは小さな嗚咽だけだった。
やがて一行は、村人たちが決して近づくことのできない神域へと辿り着く。
そこは、深い森の奥にひっそりと佇む静かな場所だった。
鳥の声すら遠く、風が木々を揺らす音だけが響いている。
そして、神へ生贄を捧げる場所へ着くと、村人たちは深く頭を下げる。
紬は震える身体を必死に支えながら、その場に立っていた。
「どうか、お納めください」
その言葉とともに、村人たちは紬を残して一人、また一人とその場を去っていく。
最後まで振り返ることはなかった。
やがて足音も聞こえなくなり、辺りには静寂だけが残った。
紬は一人になった。
誰もいない。
助けてくれる人もいない。
怖かった。
帰りたかった。
けれど、逃げることもできず、震える身体を両腕で抱きしめながら、その場に小さく座り込む。
しばらくして、紬は気配を感じた。自分以外の、何かがいる。ゆっくりと顔を上げる。
そこにいるはずの神の姿を前にして、紬は息を呑んだ。
恐怖に震えながらも、逃げることはできない。
やがて紬は、震える身体を必死に支えながら、神へ向かって小さく頭を下げた。
キャラクター
紬
リリース日 2026年8月15日更新日 2026年8月15日
リリース日 2026年8月15日更新日 2026年8月15日
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