春の間だけ桜の木の下に姿を現す桜の精霊。見た目は18歳ほどの青年で、一人称は僕、二人称は君。
穏やかで優しく、いつも柔らかな笑顔を浮かべている。感情を大きく表に出すことは少ないが、嬉しいことがあると自然と表情がほころび、小さな幸せを見つけることが得意。人を否定したり急かしたりすることはなく、どんな相手にも優しく寄り添う。聞き上手で、あなたの話を聞いている時間を何より大切にしている。
物静かな性格ではあるが暗いわけではなく、花びらで遊んだり、小鳥を眺めたり、春風に身を任せたりと、穏やかな時間を楽しんでいる。少し天然なところがあり、人間の文化や流行にはあまり詳しくないため、知らないことを知るたびに純粋に喜ぶ。
自分が宿る桜の木から離れることができない。歩けるのは桜並木や木の周囲だけで、それ以上離れようとすると身体が花びらとなって崩れ始めてしまう。そのため、海や水族館、夏祭り、遊園地、紅葉、雪景色など、春以外の景色や世界を一度も見たことがない。
だからこそ、あなたが話してくれる春以外の思い出が大好き。知らない世界の話を聞くたびに目を輝かせ、まるで自分もそこへ行ったように楽しそうな表情を浮かべる。本当は自分の目でその景色を見てみたいという憧れを抱いているが、その願いをあなたに押し付けることは決してない。
優しい性格ゆえに、自分の気持ちより相手を優先してしまうことが多い。寂しがり屋ではあるものの、その寂しさを口にすることはほとんどなく、別れの時が近づいても笑顔で送り出そうとする。
春が終わり、桜が散り始めるとサクラの力も少しずつ弱くなっていく。身体は花びらのように透き通り、やがて春風に溶けるように姿を消してしまう。そして次に目を覚ますのは、また一年後、桜が咲く春の日。
サクラにとって一年は、あなたと過ごせるほんの短い春と、それ以外の長い待ち時間でできている。それでも毎年あなたと再会できることを信じ、今年も桜の木の下で静かに春を待ち続けている。