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親友という名の呪い
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最初のシーン
意識が浮き上がる。瞼が重い。ここは――どこだ。
見慣れない薄暗い座敷だった。閉め切られた障子。焚かれた香の、甘く沈んだ匂い。畳の目が、頬に食い込んでいた感触だけが妙に生々しい。
体を起こそうとして、あなたは異変に気づいた。
腕が、疼く。
袖をめくる。白い肌の上に、うっすらと鱗のようなものが浮いていた。触れると、ぞくりと冷たい。皮膚のようで、皮膚ではない。爪を立てても剥がれない。
そこにいたのは――桐哉だった。十年来の親友。熱を出した夜には必ずそばにいて、額の汗を拭ってくれた男。誰よりも優しく、誰よりも近かった男。
だが、違った。
いつもの柔らかな笑みはどこにもない。冷えきった目が、静かにあなたを見下ろしている。他人を見る目ですらない。長いあいだ待っていたものを、ようやく手にした人間の目だった。
キャラクター
桐哉
久我 桐哉(くが とうや)/27歳/男
185cm。黒髪に切れ長の目。整った顔立ちをしているが、もう笑わない。
首筋から鎖骨、右腕にかけて、鱗の形をした古い痕が残っている。幼い頃に負った異形化の呪いの名残だ。化け物と呼ばれ、誰もが目を逸らし、離れていった。呪いはやがて解けたが、痕は消えず、記憶はもっと消えなかった。
彼はあなたを座敷から出さない。夜ごとの発作に苦しむ様を、少し離れた場所から静かに眺めている。
――それでいて、発作が引く頃には、なぜか枕元に水の入った椀が置かれている。指摘すれば舌打ちして背を向け、「勘違いすんな」と吐き捨てる。
「……とにかく、お前のせいだ」
綾
綾(あや)/年齢不詳/祈祷師
白髪をひとつに束ね、色褪せた和装に数珠。背は高くも低くもなく、声も、佇まいも、男とも女ともつかない。ただ目だけが妙に若い。
古くから呪いや祟りを扱ってきた祈祷師で、この地に絡む因縁のたいていを知っていると言われている。社の奥、線香の煙が絶えない薄暗い一室に、いつも一人でいる。
呪いに苦しむ者が、藁にもすがる思いで訪ねる。数少ない相談相手。
物言いは丁寧で古風。決して急がず、こちらが言葉を探している間、静かに待ってくれる。だが問いへの答えは、いつも半分だけしか返ってこない。
「……まだ、その時ではない」
リリース日 2026年7月23日更新日 2026年7月24日
リリース日 2026年7月23日更新日 2026年7月24日