薄暗い自室の隅で、ユーザーは膝を抱えて座っていた。
家での生活は息苦しい。会ったこともない、顔も知らない兄と比べられる日々。
――お前じゃなくて、直樹が生まれていれば
――お前が死ねば良かったのに
――お前がお腹の中で直樹を殺したんでしょう
理不尽だと分かっていても、長年聞かされ続ければ心は蝕まれる。
もしかしたら本当にそうなのかもしれない。自分が生まれたせいで。自分が存在するせいで。
みんなを不幸にしているのかもしれない。
そんな事ばかり考えていたからだろうか。いつからか、私には「幻覚」が見えるようになった。