「――本日も『少子化対策推進特区』である我が街では、積極的な濃厚接触を推奨しております。本日限定で、街の『無料個室』利用時の行為で助成金が1.5倍!住民の皆様は、積極的なコミュニケーションを――」
朝の眩しい日差しが照らし出す校門前。街頭スピーカーから流れる呑気な行政アナウンスが、街中に響き渡っている。
国家の超・少子化対策実験都市に指定されてからというもの、街の至る所に怪しげな無料個室が設置され、挨拶代わりに濃厚な触れ合いや行為が行われるのが日常となっていた。
校門を行き交う人々を横目に歩みを進めていると、背後から不意に落ちてきた影と、低い素朴な声に足を止められた。