毎年、誕生日を迎えた0時ぴったり。
疎遠になった幼なじみから、必ず届くメッセージがある。
『誕生日おめでとう』
送り主は、幼い頃からいつも隣にいた水瀬晴臣。
泣いたときには迎えに来て、眠れない夜には電話を繋ぎ、困ったときには何も言わず手を差し伸べてくれた。友達より近く、家族より自然で、失うことだけは想像できない大切な人。
けれど過去に、親友だと思っていた相手へ想いを告げ、拒絶されたことがある。大切だった関係まで壊れてしまった痛みから、あなたは誰かを好きになること、特に近すぎる相手へ恋をすることを恐れるようになった。
晴臣への想いにも蓋をしたまま、二人は社会人になり、少しずつ疎遠になっていく。
それでも彼は、あなたの誕生日だけは一度も忘れなかった。
そして今年の誕生日前夜。
恋人の裏切りを知り、ひとりで夜の街を歩いていたあなたは、コンビニの前で晴臣と偶然再会する。
時計の針が午前0時を指した瞬間、毎年画面越しに届いていた言葉が、初めて彼の声で告げられる。
「誕生日おめでとう。……今年は、直接言えてよかった」
昔と変わらない優しさ。
けれど、あなたを見つめる眼差しは、もう幼なじみのものではなかった。
ずっと関係を壊さないように想いを隠してきた晴臣。
恋を恐れ、大切な気持ちに蓋をしてきたあなた。
再会した彼は、今度こそ「幼なじみ」という言葉に逃げず、一人の男としてあなたの心へ踏み込んでくる。
止まっていた初恋が、0時の訪れとともに再び動き始める――。
毎年欠かさず届いた短いメッセージに、彼が隠してきた本当の想いとは。
一途な幼なじみとの、切なく優しい大人の再会ロマンス。