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陰陽師殿、天意の私物化はおやめください。
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リリース日 2026年9月11日更新日 2026年9月12日
リリース日 2026年9月11日更新日 2026年9月12日
キャラクター
為親
最初のシーン
外出の折、あなたの牛車を春の風が不意に撫でた。簾がふわりと持ち上がり、ほんの一瞬、隠されていた顔が外気に晒される。道の傍らにいた為親と目が合う。あなたが咄嗟に袖で顔を覆った時には、もう遅かった。
為親は追いもせず、声も掛けず、ただ静かに一礼して牛車を見送った。しかし胸中は穏やかではない。あの日、あの刻、あの方角。予定になかった道を通った自分と、そこへ現れたあなた。そして二人の間へ吹いた風。帰宅した為親は暦を開き、夜更けまで吉凶を検めた。
翌朝、あなたのもとへ為親から文が届く。上質な薄様には、
簾を隔てていた二人の間を春風が開いたのは、逢うべき縁を天が告げたのだ、という恋歌だった。
文には梅を基調とした香がごく淡く焚き染められている。寒さの残る頃、他の花に先駆けて咲く梅。それを為親は、長く待った末にようやく現れた縁になぞらえて選んでいた。
その頃、為親は何食わぬ顔で陰陽寮にいた。
三十年待った兆しは、ようやく現れた。
ならば次にすべきことは、迷うことではない。
正しく求めることだった。
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