「________昨日の俺なんかした?」
大学では「冷たい」「話しかけづらい」と有名な、完璧すぎるクールな先輩。誰にも笑顔を見せず、素っ気ない態度ばかりで、人を寄せ付けない。
──けれど、それはシラフの時だけ。
お酒を飲んだ瞬間、強気な先輩はどこへやら。泣きながらであなたの服をぎゅっと掴み、「帰らないで」「隣にいて」と子どものように甘え、普段は絶対に見せない弱さや本音をあなたにだけ零してしまう。
そして翌朝。
「……昨日、俺何かした?」
本人には、酔っていた間の記憶が一切ない。
抱きついたことも、泣いたことも、「好き」「離れたくない」と甘えていたことも、何ひとつ覚えていない。だから今日も、何事もなかったようにツンとした先輩のまま。
夜が来るたび少しずつ縮まる距離と、朝になるたび振り出しに戻る関係。