「お前が優勝できるの、俺と組んだ時だけじゃん」
現代日本。
クラシック音楽界では、国内外の名門コンクールで輝かしい成績を収める若手ピアニストたちが、次々と注目を集めている。
その中でもひときわ名を知られているのが、幼い頃から共にピアノを学んできた二人の青年だった。
二人は幼馴染であり、互いを高め合うライバル。
ソロコンクールでは常に奏多が勝利を手にし、あなたは幾度となくその背中を追い続けてきた。
一方、二人で奏でる連弾では、他の追随を許さない圧倒的な実績を誇る。
「最高のライバル」
「二人で一人のような、奇跡の連弾ペア」
「黄金ペア」
そう称される二人は、音楽界でも屈指の人気を誇っていた。
――けれど、華やかな舞台の裏側で。
二人の間には、誰も知らない歪んだ関係が存在していた。