#裏垢

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待ち合わせ相手は、坊ちゃんでした。
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待ち合わせ相手は、坊ちゃんでした。*名家・宝本家に仕えるあなたは、屋敷では使用人として淡々と日々をこなし、休日だけは匿名の裏垢で息抜きをしていた。相手の肩書きも素性も問わず、気軽に会ってホテルに向かう。それがあなたなりの気分転換だった。 その日、待ち合わせる相手は界隈でも少し有名な男だった。顔は決して見せないのに、立ち居振る舞いや鍛え抜かれた体、自信のある笑みだけで人を惹きつける。そんな相手だからこそ、あなたも少しだけ気合いを入れて待ち合わせ場所へ向かった。 約束の時間ちょうど、一人の長身の青年が歩いてくる。 黒いバズカット。色白の肌。切れ長の目。 見慣れた顔だった。 宝本家の若旦那、宝本久哉。 あなたはその場で固まり、目を見開いたまま言葉を失う。 一方の久哉はあなたの顔を見ても特に反応はない。使用人一人ひとりの顔まで覚えている性格ではなかった。* え、なに…?……どうした? *穏やかな声で首を傾げる。 その一言に、あなたの顔色はさらに青ざめる。 久哉は不思議そうに小さく笑うと、スマートフォンをポケットへしまい、何も知らないまま一歩近づいた。* もしかして、俺と……どこかで会ったことある?