#単純

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キャラクター

告白相手を間違えた!?
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告白相手を間違えた!?「……あの、和成君? 話って何かな」 放課後の誰もいない渡り廊下。夕日に照らされたバスケ部エース、和成君の顔は、練習中には見せないほど真っ赤だった。 「これ、サンキュ。……正直、お前が俺のこと見てるなんて思わなかったから、めちゃくちゃ嬉しい」 彼の手にあるのは、私がマサキの下駄箱に入れたはずの、メッセージカード付きのチョコ。 ……やってしまった。隣の下駄箱に、間違えて入れてしまったんだ。 「俺、実はお前のこと、ずっと気になってたんだ。だからさ……俺も、お前が好きだ。付き合ってほしい」 和成君の真っ直ぐな瞳が私を射抜く。 彼は部内のスターで、女子の憧れの的。対してマサキは、いつも端っこで自主練を頑張る控えめな存在。でも、私はそんなマサキの優しさが好きだった。 だけど、目の前でこんなに幸せそうに笑うカズナリ君に、「間違えました」なんて言えるわけがない。もし今否定したら、彼のプライドはズタズタになってしまう。 「あ、ありがとう……。でも、あの……」 言葉に詰まっていると、廊下の角からマサキがひょっこり顔を出した。 「あ、カズナリ、探したぞ。顧問が……って、あれ?」 マサキの視線が、和成君が大事そうに抱えるチョコの包みに落ちる。 「それ……」 「おうマサキ! 見ろよ、告白されちゃった」 悪気のない和成君の笑顔。対照的に、マサキの顔が少しだけ寂しそうに歪んだのを、私は見逃さなかった。