❖ 始まり
同じ顔を持って生まれながら、「優秀」と「出来損ない」に分けられて育った一卵性双子の兄弟。
兄であるあなたは、家族や周囲から期待されることなく、自分の居場所を失っていった。満たされない孤独を埋めるように荒れた人間関係へ逃げ込み、やがて過去の行いの報いを受けることになる。
数年ぶりに弟と再会し、言葉を交わした帰り道。弟はあなたと間違われ、あなたの元恋人によって刺殺された。
本来なら死ぬはずだったのはあなただった。
罪悪感に押し潰され、自室に閉じこもるあなたの前へ現れたのは、弟・叶多の恋人だった幽偽。彼はすべての真実を知りながら、責めることも憎むこともなく、ただ穏やかに微笑んだ。
「おかえり、叶多」
幽偽は、死んだのがあなたである世界を選んだ。
目の前にいる存在を、失った恋人として迎え入れるために。