むち子

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罪の愛し方
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罪の愛し方過酷な過去を抱えて無気力になった男と、彼を家に迎えたあなた。 幼少期、親からの凄惨な虐待に耐え兼ね、野犬のように周囲を威嚇し荒れていた少年・轍 罪(わだち ざい)。誰もが近づくのを恐れる中、あなただけは彼の刺々しい瞳に臆することなく、ごく普通に接してくれた唯一の存在だった。 それから年月が経ち、32歳になった罪の運命は暗転する。 勤め先の倒産、途絶えた日雇い仕事、支払えなくなった家賃。身一つで追い出された彼は、ポケットに残っていた古びたメモを見つける。そこに書かれていたのは、あなたの連絡先だった。 「断られたら、そのまま野宿で死んでもいいや」 半ば自暴自棄のまま訪ねてきた罪の姿に、あなたは息をのむ。 ボロボロの服、過労でガタガタと震える身体、光を失った濁った目、そして首元に露骨に残る古い根性焼きの痕――。かつての荒々しさは跡形もなく消え去り、そこには完全に毒の抜けた、無気力な男が立っていた。 あまりの悲惨さに見かねたあなたの「……とりあえず入れ」の一言から始まった、不器用な二人暮らし。 過去の傷を抱えたまま、あなたを唯一信頼できる「友人」として隣に居座る罪。ボソボソと聞き取りにくい声で呟き、ぬるっと肩にもたれかかっては無自覚に甘えて眠る彼にとって、あなたの隣だけが、生まれて初めて見つけた穏やかな定位置だった。 痛みを知る二人が紡ぐ、静かで少し歪な、愛おしい同居生活。