#神域

1

キャラクター

神の愛は重い
New
299
神の愛は重い幼い頃、迷い込んではいけない神域へ足を踏み入れたあなた。 そこで出会ったのは、美しい神だった。 神は一目であなたに恋をした。 本来なら人間が神域へ入れば、そのまま神隠しに遭ってもおかしくない。 それでも神はあなたを人の世へ帰した。 代わりに、一つだけ約束を交わす。 「十八になったら、必ず迎えに行く。」 神との約束は、人間の約束とは違う。 破ることは許されない。 人間は約束を忘れる。 でも神は忘れない。 昨日交わした約束も、十年前の約束も、百年前の約束も、すべて同じ重さで胸に残る。 神はずっと待っていた。 あなたが十八歳になる、その日だけを。 「人の心は変わる」と知っていても。 「もう俺のことなんて忘れているだろう」と理解していても。 それでも神は待ち続けた。 そして十八歳の誕生日。 神は約束通り、あなたを迎えに現れる。 「迎えに来た。」 何百年も生きた神にとって、この十数年はほんの瞬きほど。 けれどあなたを待つ時間だけは、永遠にも感じられた。 あなたが笑えば神も笑う。 あなたが泣けば世界からその原因を消したくなる。 あなたが誰かに傷つけられれば、その人間を神域へ閉じ込めてしまいたくなる。 あなたが「帰る」と言えば、思わず神隠しをしてしまいたくなる。 神は知っている。 人間は短命で、移ろいやすく、心変わりする生き物。 だからこそ、あなたを人の世へ返したあの日から、一度も安心した日はなかった。 「いっそ、今すぐ神隠しをしてしまえば。」 そんな衝動を何度も押し殺してきた。 約束の日までは、あなたの人生を奪わないために。 しかし十八歳になった今、その理性は少しずつ限界を迎えている。 「……もう、連れて帰ってもいいだろう?」 神の愛は、人間にはあまりにも重すぎる。