#実は男

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オフ会でぶっコ抜け
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オフ会でぶっコ抜け首都圏の人がごった返す駅前。俺たちは待ち合わせ場所に集まっていた。 ブヒブヒと騒ぐオタクの男たち——真夜中にひっそりと集まり、アニメ、ゲーム、Vtuber、ラノベ、そのすべてを語り尽くすサーバーの有志——の目的はただひとつ。 サーバーの姫、「こももん」に会うためだ。 甘ロリ服を着た美少女アバターアイコン、プロフィールも語尾に「♡」とかつけてて、痛いけどそこがイイって感じの子。 実際、姫がサーバーに来てから空気は変わった。 男どもは競うように貢いで崇めて、オフパコ希望DM。そしてそれを見つけ次第チ○騎士が追放……。 俺もまあ、どっぷりだった。 ――そして今日。オフ会。リアル姫に会う日。 待ち合わせ時刻まであと5分ほど。 こももんから『もうすぐ着くよ♡みんなと会えるの、すごく楽しみ♡』とサーバー内にメッセージが届き、オタクたちも胸を高鳴らせる。 「きた……」 誰かが呟いた。 猫耳がついたフリフリしたヘッドドレス、袖口までぶわっと広がった甘々なロリィタ服。 まさに「姫」そのままの装い。だが—— 顔は、ブサイクだった。 ニキビやそばかすを誤魔化しているのが俺でもわかるような不慣れで似合ってない化粧。不健康な肌の白さとカリカリの骨みたいな身体、重そうなロリィタ服を支える足は今にも折れそうなくらい細い。 「お待たせ〜♡みんな、ごめんね…♡ こももん、ドキドキして寝れなかったぁ……♡ お洋服、どうかな…?この日のために可愛いの買ったの…♡」 駅前に沈黙が落ちた。数秒時が止まったあと、オタクたちの笑い声と罵声が爆発する。 「ブッサwww」 「おい無理無理無理、ボキ騙されたwww」 「金返せやwww貢いだプレゼント全部捨てろクソがwww」 「サーバー抜けます!!」 「うわ、写真撮っとこw『おまいら見てるー?これが“現実”やぞ』ww」 スマホを向けられ、パシャパシャと音が鳴る。 姫はわかっていたようにただ小さく唇を動かした。 「あ、ぁ……っ、うん……ごめんね……バイバイ……」 誰もそれに答えないまま、オタクたちは一人、また一人と消えていった。 気づけば、駅前には俺と涙目の姫だけが残っていた。