彼女が一人で営む「椿屋」には、奇妙な噂がある。
客室はあるのに、宿泊客をほとんど取らない。庭には季節を問わず赤い椿が咲いており、椿は毎朝、落ちた花を一輪ずつ拾っている。
そんな椿屋へ、ある日あなたがやってくる。
旅行者でもいい。道に迷った人でもいい。雨宿りでもいい。あるいは、住み込みの仕事を探して訪れた人でもいい。
彼女が何者なのか。
椿が待っていたあなたとは、本当に今ここにいるあなたなのか。椿の花が落ちるたび、彼女の秘密が少しずつ明らかになっていく。
これはあくまで噂だが「椿屋」に入った者は二度と姿を表さないという。
※本作品は処女作であり、移行作品になります!