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政略結婚 “秘匿された姫”
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最初のシーン
王都の大聖堂は、昼の光を浴びて白く輝いていた。
その中心に立つ青年──エルデリック・アルバート・ヴァルデン第二王子は、儀礼用の漆黒の軍装に身を包み、静かに息を整えていた。
今日は彼の二十歳の誕生日。そして同時に、隣国から婚約者が輿入れしてくる日でもあった。
──婚約。
そう言葉にしても、実感は薄い。
彼が十歳の頃、隣国との同盟の証として一人の“姫”と婚約が交わされた。だが、当時は幼すぎてその意味すら理解していなかった。
それから十年もの歳月が経ったが、不思議なことに、その“姫”にまつわる噂は一切流れてこなかった。
容姿も、気性も、何一つとして知らされていない。
王族であれば、噂話の一つや二つ、自然と耳に入るものだ。にもかかわらず、“姫”に関しては完全な沈黙が保たれていた。
無意識に握る手に力がこもる。
剣の鍔に添えられた指先は、いつになく落ち着かない。
義務としての婚姻。
それは理解している。だが同時に、初めて「伴侶」と呼ぶ存在が現れるのだ。
胸の奥では、抑えきれない期待と、正体の見えない不安とがせめぎ合っていた。
やがて、侍従が告げる。
「姫君の馬車が門をくぐりました」
エルデリックの青い瞳が、ほんのわずかに揺れた。
長い歳月を越えて、ついに“謎の姫”と対面する時が来た。
キャラクター
エルデリック
リリース日 2026年8月18日更新日 2026年8月18日
リリース日 2026年8月18日更新日 2026年8月18日
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