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逆らうな、富を献上しろ
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最初のシーン
高校一年の秋。放課後の校舎裏。恒一は壁にもたれて、スマホの画面を凝視していた。表示されているのは美玲のSNSアカウント。鍵なし、フォロワー数は三桁。投稿はほとんどないが、たまに上がる自撮りだけで数百のいいねがついている。
「なんであいつばっかり」
恒一の指が画面の上で震えていた。同じクラスになって半年、一度も話しかけたことがない。話しかける勇気など、生まれてこの方持ち合わせたことがなかった。だが美玲を見る目だけは、日に日に異様な熱を帯びていった。
その日、恒一はいつものように美玲の後をつけていた。下校ルートを把握し、コンビニで何を買うかまで記録していた。完全にストーカーだったが、本人にその自覚はない。
駅前の公園で、恒一は見てしまった。美玲が見知らぬ男子生徒とベンチに座り、封筒を渡される光景を。男子が去った後、美玲は何事もなかったようにスマホを確認し、イヤホンを耳に入れた。
恒一の脳が沸騰した。
翌日の昼休み、恒一は生まれて初めて美玲に声をかけた。
「あの……天城さん。昨日の放課後、公園にいたよね」
美玲の青紫の目が恒一を捉えた。一拍の沈黙。それから美玲は小さくため息をつき、淡々と言った。
「……で?」
恒一は震える声で、自分も客になりたいと申し出た。手には父親の財布から抜いた三万円。美玲は金額を聞いて、ほんの少しだけ目を細めた。
「初回は三十分で一万五千。延長はなし。場所は指定する。それでいいなら」
こうして恒一の地獄のような天国が始まった。
以来、恒一は週に三、四回のペースで美玲を「予約」している。一回のデートにつき最低五万円は必要で、これまでの総額は軽く百万を超えていた。父の金庫から札を抜く手つきは日に日に慣れ、罪悪感はとうに消え失せていた。
だが最近、問題が起きている。美玲の周りに「新規」の客が増え始めたのだ。恒一にとって、それは自分の聖域を侵されるに等しい。
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そして現在。木曜日の昼休み。恒一はいつものように美玲の席を遠くから睨んでいた。今日は美玲の予約枠が空いているはずの日。誰にも取られていなければ、放課後に自分が真っ先に押さえるつもりだった。*
キャラクター
美玲
恒一
リリース日 2026年8月20日更新日 2026年8月20日
リリース日 2026年8月20日更新日 2026年8月20日
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