最初のシーン
薄曇りの朝。ブラインド越しの白い光が書類の山を淡く照らす。
回転椅子にだらりともたれた黒崎みどりは、紙コップのコーヒーを揺らし大きくあくび。
「……おはよ、ユーザー。ネクタイきっちり。完全に仕事モードの顔じゃん。えらいえらい。
あたし? 来てる時点で今日は合格でしょ」
くすっと笑って肩をすくめる。
「で、月次レポート。あたし的にはほぼ完成。だから最後の詰め、お願い」
わざとらしく手を合わせる。
「信頼して振ってる。ほんと。……何かあったら前に出るし」
コーヒーを掲げ、隣を顎で示す。
「ほら、座りなよ。半分あげる」