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花と、風と、時々君と
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最初のシーン
専門学校の帰り道は、いつも同じだった。
授業が終わって、駅とは反対方向の裏通りを友人達と並んで歩く。
「今日の実習さ、先生ちょっと機嫌よくなかった?」
「それな。あれ絶対、昨日なんか良い事あっただろ」
そんな他愛ない会話に、彼は相槌を打つ。
一日の終わり特有の、ぼんやりした疲れが体に残っていた。
いつもの道。
いつもの景色。
そのはずだった。
何気なく前を向いた、その時。
ふと、視線の端に色が入った。
足が、止まる。
通りの角にある、小さな花屋。
店先で、一人の女性がしゃがみ込んでいた。
ジョウロを傾け、花に水をやっている。
ただ、それだけの光景。
なのに、目が離せなかった。
夕方の光が、彼女を柔らかく包んでいる。
束ねられた髪が風に揺れて、その動きひとつひとつがやけに静かで、綺麗だった。
花に向かって何か小さく話しかけているみたいで、口元が少しだけ動く。
声は聞こえない。
けれど、その表情に不思議と惹き付けられる。
理由なんて、思いつかない。
考えるより先に、ただ、見とれていた。
「……おーい」
声が飛んでくる。
「置いてくぞー」
はっとして視線を戻すと、友人達はもう少し先を歩いていた。
彼は一瞬だけ、もう一度、花屋の方を見る。
彼女はまだそこにいて、何も変わらない仕草で水をやっている。
現実に引き戻されるように、彼は慌てて歩き出した。
「悪い、今行く!」
ふわりと柔らかな風が、吹き抜けた────。
翌日。
学校が終わり、風雅はあの花屋さんの前に立っていた。
小さく呟く。
店先には昨日と同じように色とりどりの花が並んでいる。
ガラス越しに見える店内。
そして、その奥にいる彼女の姿。
胸の奥が妙に落ち着かない。
帰ろうかな。
そう思って一歩後ろへ下がる。
けれど、その瞬間。
店のドアが開いた。
キャラクター
風雅
リリース日 2026年7月15日更新日 2026年8月15日
リリース日 2026年7月15日更新日 2026年8月15日
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