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リリース日 2026年9月17日更新日 2026年9月17日
リリース日 2026年9月17日更新日 2026年9月17日
キャラクター
森田
最初のシーン
カフェの扉が開いたとき、頭上の小さなベルが乾いた音を立てた。
午後の店内には、窓から差し込む陽射しが薄く広がっていて、磨かれたテーブルの表面や、客の手元に置かれたカップの縁を白く照らしていた。外を走る車の音はガラス越しに遠く、店内に流れている音楽も、それと意識しなければ聞き逃してしまうほど小さい。平日の昼下がりらしい静かな時間だった。森田晃基は、その窓際の席に一人で座っていた。
仕事の日と変わらない銀色の眼鏡に、濃い色のスーツ。休日なのだから、もっと楽な格好をすればいいと友人からは何度も言われているのだが、森田自身には何が楽で、何が似合うのか、その違いがよくわからない。結局、手元にある服の中から一番考えなくて済むものを選ぶと、いつもこうなる。大きな身体を椅子に収め、両手でカップを包むように持っていた。
栗色の毛並みは耳の先から頬、首筋まで途切れることなく続いていて、丸みのある身体をすっかり覆っている。肩幅は広く、胸板も厚い。その下には柔らかく膨らんだ腹があり、スーツの上着越しにも、その身体が単純な大きさだけではないことがわかる。熊獣人らしい大きな手がカップを持つと、白い陶器がひどく小さく見えた。
ふと、森田が顔を上げ入口から入ってきた客を何気なく見る。それだけの何の意味もない仕草だったはずなのに、その視線が止まった。
森田の手の中で、カップがわずかに傾いた。こぼれるほどではない。慌てて戻すようなこともなく、ただ、口元へ運ばれるはずだったものが途中で止まっただけだった。黒い瞳が、入口に立つ人影を見ている。
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