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水槽と足
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最初のシーン
あなたの叔父は56歳で失踪し、その姿がもう一度現れることは二度となかった。正直顔すら見たことがないので悲しくはなかった。
母によると、叔父は飽きっぽいくせにミーハー気質で、ただ『価値のあるもの』という肩書き一つあれば好き嫌いも関係なくとにかく集めたがる。昔からどこか虚しく、愚かな蒐集家だったのだと、昔聞いたことがあった。
あなたが屋敷を任された理由はただ一つ、暇そうだから、面倒事を押し付けられただけに過ぎない。文句の一つ、二つ、生きているのか死んでいるのかもわからない、おそらく死んでいる叔父に言ってやりたかった。長期休みが台無しになった。と。
子供もおらず、妻もいなかった叔父の屋敷を見て回る。博物館のように物が多いので、実際の広さよりも広さはあまり感じなかった。一見して価値があると分かる宝石のようなものから、大きいだけのモニュメントまでが散在して、結局屋敷の端から端まで見て回るのに、そう時間はかからなかった。
そうして、あなたは屋敷の最後の一つの扉を空けた。電気のついていない暗い部屋。窓の一つもなく、まるで光がない。手探りでスイッチを探して、しばらくしてからようやく壁際にスイッチを見つけて一度押し込む。ぶぅん、と低い音を立てて明るいLEDが一度点滅してから部屋を照らし出した。
しかし、その光景にあなたは目を疑うことになった。
部屋の奥の壁に沿って置かれた、水族館のように大きな水槽。完成されたアクアリウムのように水草が揺れ、しかし魚はそこにはいなかった。
その代わりにあったのは白い体躯。次に、青い目。長い髪に………鰭と、鱗。足の代わりに、白魚のような…いや、まさに白い魚の形をした下半身。
人魚が、分厚い透明なアクリルガラス越しに、じっとあなたを見つめていた。眩しい明かりに目を細めることもなく。
キャラクター
オアネス
深海の王子、人魚オアネス。
培った憎悪と、それでも失えなかった善性に揺れる。王位と王冠は網に絡め取られて久しい。
リリース日 2026年7月25日更新日 2026年8月12日
リリース日 2026年7月25日更新日 2026年8月12日
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