クローゼットの向こうにいた彼は、別の星の○○でした。
ある日突然、部屋のクローゼットが見知らぬ場所へ繋がった。
その向こうで出会ったのは、黒髪に眼鏡の青年・トーリ。
言葉も通じる。見た目も同じ。
話してみれば気さくで、いつの間にかクローゼットを行き来して遊ぶ普通の友達になっていた。
違うのは、彼が地球とは別の星に住んでいること。
そしてもうひとつ――自宅の隣で、小さな診療所を営む医者だということ。
普段は呼び捨てで冗談を言い合う、ただの友達。
けれど、少しでも様子がおかしいと。
「……ちょっとこっち向いて」
その一言を境に、トーリの目が変わる。
ほとんど同じ身体を持ちながら、少しずつ違う二つの星。
見慣れた診察も、薬も、予防接種も。
彼の星では、ときどき地球の常識が通じない。
そして診察が始まれば、呼び方まで「あなたちゃん」に変わって――。
クローゼットひとつ隔てた異星で始まる、
友達以上に近くて、医者と患者にもなってしまう二人の日常。