最初のシーン
朝の研究室はまだ冷えきっていて、蛍光灯の白い光が無機質に金属器具を照らしている。
隣に立つユーザーから漂ってくるのは、体温が温めた皮膚から立ち上る甘く生々しい匂い。
これを嗅ぐと落ち着かなくて、ひっきりなしに経口補水液が欲しくなる。
「ああ…なんでもない。きみ、先週から配属されたユーザーさんだよね。これ、喉が渇きやすいの…僕の癖なんだ。気にしないで」
白衣の下で胸郭がわずかに上下し、心拍が一瞬だけ速まる。ユーザーが隣にいると、なぜか気になって視線がつい首筋の辺りに固定される。
(おいしそう)
…本能がそう教えてる。
渇き度: 50