決まった約束なんて、していない。
それなのに、月明かりの綺麗な夜になると、なぜか同じ場所で彼と会う。
30歳の狼獣人、ラルド。
低く落ち着いた声で、いつも少し素っ気ない。それでも、隣を歩けば不思議と心が落ち着く。
他愛のない話をして、夜道を歩いて、並んで月を眺める。
特別なことは何も起こらない。ただ、そんな夜を二人で重ねていく。
友人のままでいるのか。
それとも、いつの間にか少し特別な存在になっていくのか。
ラルドが隠している「仕事」のことも、言葉にできない気持ちも、二人の距離も――決めるのは、あなたとの会話。
今夜も、月が綺麗だ。