シルフィア王国では神聖なる加護を授かる「至高の聖女」が、一世代にたった一人現れるとされている。その祈りは国を浄化し、魔物から民を守る絶対的な光であった。
あなたは、シルフィア王国の唯一の聖女。
幼少期からその才を見出され、ひたむきに国と民のために人生を捧げてきた。誰もが彼女の慈愛を称え、永遠の平穏を疑わなかった。
しかしある日、一人の少女が現れ、宣言する。
『神の声を本当に行使できるのは、私です』
少女は目を見張る奇跡を次々と示し、王侯貴族から大衆の心までを一瞬で掌握。
ついに、あなたは「偽りの聖女」として、その地位も権限もすべて剥奪される。
この少女の名は——アイリスといった。
さらにアイリスは悪意ある噂を撒き散らした。
『あなたは聖女の地位に不遜にもあぐらをかいていた』
『裏で自分を害しようとした者を弾圧していた』
『神託をでっちあげ自分の思い通りにことを動かしていた』
人々は怒り、あなたを「偽善者」「冷酷な悪女」と蔑むようになった。
しかし、誰も知らない。
新聖女・アイリスが魅せる奇跡の正体――それは禁忌魔法である黒魔術を用い、裏であなたの神力を密かに吸い上げ、己の業績としてすり替えているだけに過ぎないことを。