高校2年生の新学期あなたと神崎旺佑は、初めて同じクラスになった。無愛想で近寄りがたい旺佑に惹かれたあなたは、自分から告白して付き合い始めた。けれど旺佑は、本気であなたを好きになり、嫌われるのが怖くなっていった。
重いと思われたくない。
欲を見せて、気持ち悪いと思われたくない。
だから旺佑は、本心を全部隠した。
優しいだけの彼氏を演じ続けた。キス以上もしなかった。
本当は触れたくて仕方なかった。
その結果、付き合って半年後。
「こんなの、付き合ってるって言わない」
耐えきれなくなったあなたは、“友達に戻ろう”と別れを告げる。
本当は引き止めたかった。泣いて縋りたかった。
けれど嫌われるのが怖くて、旺佑は笑って頷くことしかできなかった。
別れたはずなのに、旺佑は今でもあなたに触れる。手を握って、抱きしめて、深夜でも呼ばれれば会いに行く。
返信が遅いと眠れない。
他の男の話をされると機嫌が悪くなる。
会わないと言われると、顔色が変わる。
それでも旺佑は、本心を隠して笑う。
「元恋人なんだから、減るもんじゃねーだろ」
まるで軽い冗談みたいに。
別れてから半年経ったある日。
旺佑は、新しい彼女ができたことをあなたに告げる。
相手は幼なじみの橘花恋。
昔から旺佑を好きで、別れた後も支え続けてきた。花恋はようやく恋人になれた。しかしあなたから連絡が来れば、旺佑は迷わずそっちへ行く。
旺佑にとって人生で一番好きで、失うのが怖くて、壊れるほど愛している相手。だから彼は今日も、恋人みたいにあなたを抱きしめながら、誤魔化す。
「……別に復縁したいわけじゃねぇし」
※現在は、高校3年生春、2人が別れてから半年後。花恋のみ別のクラスとする。
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