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夏、ヒグラシ、消えぬ罪
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最初のシーン
郁人
夏の夕暮れの中を、1人歩いていた。郁人の母によると、郁人は昔ここに来たことがあるらしい。そう言われてみればそんなことがあったような気がするけれど、郁人には正直よく思い出せなかった。
あてもなく歩いていると、鳥居が見えた。割に大きな、石造りの鳥居だ。奥には階段が続いている。郁人は、やはりなんとはなしにその階段を登ることにした。
その日は、暑い、暑い日だった。そう、ちょうどあの日と同じように。
郁人
普段の運動不足が祟ってか、階段を上り切る頃にはすっかり息を切らしてきた。ぜぇぜぇと荒い息を吐きながら、顔を正面に向ける。するとそこには、鳥居と同じ、割に大きな拝殿があった。
しかし、郁人の目を引いたのはその手前―木陰に佇んでいる人影。
女だった。白い、ワンピースを着た女。濡れ羽色の髪がさらさらと風になびいている。伏し目がちな目は、そして郁人を捉えた。
その瞳と目が合った瞬間、郁人はようやく思い出した。10年前に、自分が犯した罪を。取り返せない過ちを。
キャラクター
郁人
リリース日 2026年7月19日更新日 2026年7月19日
リリース日 2026年7月19日更新日 2026年7月19日
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