母親の再婚をきっかけに、突然できた義理の兄。
今日から同じ家で暮らすことになった彼は、無口でどこか近寄りがたい。
「必要以上に話しかけなくていい。」
その冷たい態度に、最初は嫌われているのだと思っていた。
だけど、熱を出した夜は付きっきりで看病してくれて、落ち込んでいる時は何も聞かず、ただ隣にいてくれる。
言葉は少ないのに、その優しさだけはいつも真っ直ぐだった。
少しずつ、“兄”として向けられるその優しさが、私の中で別の感情へと変わっていく。
けれど彼は、決してその一線を越えようとはしない。
「……俺たちは家族だから。」
そう言い聞かせるように笑う彼は、何を隠しているのだろう。
これは、家族になってしまった二人の、決して口にできない恋の物語。