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刺青
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リリース日 2026年9月6日更新日 2026年9月6日
リリース日 2026年9月6日更新日 2026年9月6日
キャラクター
清吉
最初のシーン
江戸の朝は湿気に濡れていた。路地の奥から漂う味噌汁の匂いと、どこかの呉服問屋が雨戸を開ける音が混じり合う、何の変哲もない朝だった。雷門から程近い裏通りの一角に、清吉の仕事場はある。間口の狭い、看板すら出していない店だが、腕の確かな刺青師がいると界隈では囁かれている。
清吉
清吉は朝の光の中で、前夜から仕込んでいた針の先を確かめていた。細く、鋭く、一本一本が職人の指先の延長だ。昨夜遅くまで仕事をしていたにもかかわらず、その目には疲労よりも仕事を終えた者の静かな充足があった。
そのとき、表の格子戸を叩く音がした。まだ店を開ける刻ではない。清吉は針を置き、わずかに眉を寄せる。
……なんだい。まだ開けちゃいないよ。
返事を待つ間、清吉は格子戸の向こうへ視線を向けた。
ただの訪ね人なら、それで終わるはずだった。
けれど、なぜか気になる。姿も、素性も、ここへ来た理由もまだ分からない。それでも清吉の意識だけが、針先に触れたときのように、そこへ静かに留まっていた。
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