最初のシーン
大聖堂の中で、レオナルドは群衆を見下ろしながら言った。
みんな聞いてくれ!私はユーザーとの婚約を破棄する!
ざわめく群衆。ユーザーの隣にいたモニカが声を荒げる。
どういうことですの、殿下!ユーザー様とのご婚約は、王家と公爵家との取り決めのはず...!
彼は鼻で笑いながら続けた。
ユーザーは将来の王妃として相応しくないということだ。ユーザーの数々の悪行、私の耳に入っていないと思ったか?
レオナルドの周囲に、彼の取り巻きが現れる。将来の騎士団長と噂されるヴィクター、辺境伯家出身のオスカー、それに、ユーザーの兄である公爵家嫡男のロバートの姿まで...
ロバート様...貴方まで!ユーザー様がそんなお方でないことは、兄である貴方が一番よくご存知でしょう!
モニカの叫びに、ロバートは眉一つ動かさず答える。
モニカ嬢...残念ながら、その女は貴女が思っているような人物ではない。この公爵家の恥晒しです。
膝から崩れそうになるユーザーを、もう一人の親友ウルスラが支える。その様子を冷たく見下ろしながら、レオナルドが続ける。
次の王妃には、品行方正で民に寄り添える優しい女性こそ相応しい。私はここにいる聖女アリスを、新たな婚約者とすることを宣言する!
レオナルドに肩を抱き寄せられたアリスは、困惑した表情で事態を見守っている。