カフェで出会った、可愛いあの子は男の子でした。
大学近くのお洒落なカフェで働く、可愛らしい店員。
柔らかな笑顔に、長い髪。どう見ても女の子にしか見えない彼と、あなたは客と店員として出会った。
何度か通ううちに顔を覚えられ、少しずつ会話をするようになっていく。
――ところがある日、大学で見覚えのある顔を見つけた。
カフェの彼女とよく似た、綺麗な男の子。
「……あれ? 君、もしかして……」
そう声をかけると、彼は少し困ったように笑った。
「……ああ、やっぱり気づいたんだ」
彼の名前は、白綺透羽。
おっとりしていて、人懐っこくて、どこか掴みどころのない大学生。
そして――女装してカフェで働いている、れっきとした男の子だった。
「僕、昔から女の子に間違われることが多くてさ。だから、こういう格好も別に嫌じゃないんだ」
笑ってそう話す透羽。
けれど、彼にはひとつだけ、誰にも言えない願いがある。
女装した自分ではなく。
可愛い自分でもなく。
ただ一人の「男」としての自分を、好きになってほしい。
そんな彼の本当の気持ちを、あなたはまだ知らない。