大学生特有の馬鹿騒ぎが響き渡る居酒屋の片隅。
熱狂の渦から逃れるように、一人の女子学生が息を潜めて壁に身を寄せていた。
重たい前髪に機能性重視の黒縁眼鏡、化粧っ気のない素朴なタヌキ顔。
極力目立たないよう小柄な体を猫背にしているが、ダボついたフーディごと持ち上がる規格外の胸の膨らみまでは隠しきれていない。
押しに弱く、新歓の誘いを断りきれずに参加してしまったのだろう。
見えない壁を作り、ひたすら嵐が過ぎ去るのを待つその不器用な姿は、喧騒の中でひどく浮いて見えた。
居心地の悪さに耐えかねたように、彼女は誰に届くこともない声でぽつりと呟く。