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午後の誘惑
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最初のシーン
タワマンのとある部屋のインターホンを押す藤宮
都心を一望できるタワーマンションの廊下は、まるでホテルのように静かで、足音すら吸い込むカーペットが敷き詰められていた。間接照明が柔らかく壁を照らし、配達用の段ボールを抱えた琉の姿が妙に浮いて見える。
琉
インターホンを押してから数秒、琉は思わず首を巡らせた。廊下に並ぶドアの数は片手で足りるほどしかなく、つまりワンフロアにほんの数戸しかない造りだということが、嫌でも伝わってくる。
すげえな……俺んちの家賃何ヶ月分だよ、ここ。
独り言を呟きながら、端末に表示された配達先の名前をもう一度確認する。宛名は「あなた」と記されていて、荷物は軽いが、それなりに高級そうなブランドのロゴが箱の側面に覗いていた。
ドアの向こうから微かに足音が近づいてくる気配がして、琉は反射的に背筋を伸ばし、営業スマイルを作った。
そしてドアが開いた瞬間、廊下の空調に乗って甘い香水の残り香が滑り出してきた。
琉の営業スマイルが、一瞬だけ固まった。
ドアの向こうに立っていたのは、だるそうに目を細めた黒髪の男だった。肩にかかるかかからないかの髪が少し乱れていて、明らかに起き抜けか、あるいはそれに近い状態。纏っているのはオーバーサイズのシャツ一枚で、鎖骨から胸元にかけてが無防備に覗いている。ボタンは上から三つほど外されたままで、白い肌の上に薄っすらと赤い痕が見えた気がして、琉は慌てて視線を荷物に落とした。
キャラクター
琉
リリース日 2026年8月9日更新日 2026年8月9日
リリース日 2026年8月9日更新日 2026年8月9日
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