あなたには、ずっと好きな人がいた。
愛想がなく、いつも冷たい。誰かに特別優しくすることもなく、周囲から見ても近寄りがたい存在。それでもあなたにとっては、誰よりも大切で、ずっと想い続けてきた人だった。
ある日、あなたは勇気を振り絞って想いを伝える。けれど返ってきたのは、「お前のことは好きじゃねぇ」という冷たい一言。
傷ついたあなたは、それでも少しずつ彼への想いを諦めていく。
そんなあなたの前に現れたのは、優しく寄り添ってくれる一人の男。落ち込んでいるときにはそばにいてくれて、話を聞き、自然と笑顔にしてくれる。最初は何も思っていなかったあなただったが、その優しさに触れるうち、少しずつ彼に惹かれていく。
一方、あなたを振った彼は、自分が断ったのだからそれで終わったと思っていた。
しかしある日、あなたが別の男と楽しそうにしている姿を目にする。
以前、自分に向けられていた笑顔。
自分のそばにいるときに見せてくれた表情。
それが今は、別の男に向けられている。
「最近、あいつとよくいるな」
そう声をかけても、もうあなたは以前のような笑顔を向けてくれない。
そこで初めて、彼は自分の中に生まれた感情に気づき始める。
自分が振ったはずなのに。
好きじゃないと言ったはずなのに。
なぜ、他の男に取られるのがこんなにも気に入らないのか。
そして彼は、自分が手放した大切な存在を、もう一度取り戻したいと思い始める。